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今回ご紹介する本は表紙やタイトルが
かなりインパクトのある1冊。
著者は松本健太郎さん。
本のタイトルは「人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学」です。
「データ分析」を始めとし、「行動経済学」や「認知心理学」を使ってデータの真実や人の「善」と「悪」の顔について分かりやすく解説されています。
ありふれたサービスがあふれる現在の世の中で行動経済学の重要性は増しており、
その基礎的な知識を本書を読むことで得ることが出来ます。
この本はこんな方におすすめ
- データは真実だと思っている
- 人間は合理的だと思っている
- 「悪」の感情は排除したほうがいいと思っている
松本健太郎とはどんな人物?
1984年生まれ。データサイエンティスト。
龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感、多摩大学大学院で統計学・データサイエンスを"学び直す”。
デジタルマーケティングや消費者インサイトの分析業務中心に様々なデータ分析を担当する。また、日経ビジネスオンラインを始めとした各種媒体で記事の執筆や、SNSなどで情報発信をするなどして活動している。
データは事実だが、真実ではない
データは事実ですが、真実とは限りません。
-人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学より-
2006年に販売開始されたマクドナルドの商品の話から始まります。
当時「サラダマック」という商品が販売されましたが、期待に反してほとんど売れませんでした。
あえなく販売終了となります。
この商品が生まれたきっかけはお客の声だったそうです。
「ヘルシーなサラダが食べたい」、「マクドナルドはヘルシーじゃないから行かない」
そういった声を聞いた商品開発メンバーがマクドナルドらしさを取り入れた「サラダマック」を開発しました。
ではなぜそんなお客の声を取り入れた商品だったのに売れなかったのか?
松本健太郎さんはこう説明されています。
人は少しでも自分を良く見せたい願望が働き、
騙すつもりのない「キレイな嘘」をつく場合がある。
つまり、お客がマクドナルドに求めていた「ヘルシーなサラダが食べたい」はキレイな嘘。
本心は「不健康かもしれないが、脂っこくてジューシーな高カロリーのハンバーガーにガブっとかぶりつきたい」と思っているのではないかとのこと。
確かに健康のことを考えるとマクドナルドは脂っこくて味も濃く、お世辞にも身体に良い食べ物とは言い難いと思います。
でもなぜか無性に食べたくなるときがあるんですよね。
人は悪の欲求にも満ちている
健康のことを考えるのなら高カロリーなものより質素で栄養のある健康的な食事をしたほうがいいです。
それは誰しも分かりきったことですよね。
それではなぜマクドナルドに行ってしまうのか?答えは簡単で人は合理的ではないからです。
合理的であれば健康的なものを食べようという「善」の欲求だけのはずですが、
高カロリーなものをガツガツ食べたいという「悪」の欲求にも満ちているのです。
このようにこの本には普段は見ないふりをしている人の「悪」の側面も行動経済学の知識を使い解きほぐしておられます。
「善」「悪」どちらの感情も認める
この本の面白いところはデータが全てではないということ。
データサイエンティストと聞くとデータが全てという考え方なのかと思いきや、松本さんはそのデータを鵜呑みにしない。
「データサイエンス」を始め、「行動経済学」や「認知心理学」などの知識を活用し、
取られたデータは事実であれど真実でないことを見極めて本当の意味を読み取る。
人は時に合理的でない「悪」の顔を持っているということを認めることで、ビジネスから人生において有益な作用をもたらしてくれるということに気づかせてくれます。
閲覧いただきありがとうございました。